レノンの夢も

学生の時、写真のサークルにK先輩という女性がいた。

飄々とした風貌で、ちょっとおっかないけど実は面倒見がよくて、頭の回転が速くて、赤いマルボロの箱がよく似合ってた。当時女子学生の吸うタバコといえばこぞってマルボロだったけど、彼女ほどそれがサマになる人はちょっといなかった。

寡作ながらも写真を撮るということに関しては真剣で、内輪の品評会なんかでもくだらない作品を持っていくと怒られて蹴っ飛ばされたりした。

 

普段ジーパンはいてるところしか見たことがないK先輩が黒のワンピースを着て学校に来たことがあった。そのことに触れると「うるせー」って言って相手にしてくれなかったけど、後になって別の先輩が教えてくれた。

 

 

ジョン・レノンの命日だから。

 

 

私自身はジョン・レノンやビートルズが特別好きだったわけでもなかったし、まだガキだった私にとってすでに死んだアーティストに特別な感情を抱く、ということがよく理解できなかったので、「ふーん」と思ったくらいだった。けど、好きなアーティストの命日に毎年追悼の意をこめて着るものを選ぶなんて、ちょっと不謹慎な言い方をさせてもらえば、「新鮮な驚き」だったのだ。

 

今日から明日にかけて(命日の8日は、日本時間では9日にあたる)、ラジオではきっとあちこちでIMAGINEやWOMANが流されるんだろうなぁ。そして卒業以来会ってないK先輩は、今年もやっぱり黒いワンピースを着ているんだろうか・・・。

 

 

なんてことを思いながら私が聴くのはジョン・レノンではなく、斉藤和義だったりして(笑)

Golden Delicious

• アーティスト: 斉藤和義, 松尾一彦
• 出版社/メーカー: ファンハウス
• 発売日: 1998/12/02
• メディア: CD

「レノンの夢も」は7曲目に入っている曲のタイトル。でも好きなのは1曲目の「僕の見たビートルズはTVの中」の方(笑)

ジャケ写みたいな宅録の環境あったら楽しそうだなぁ。 

 

　ジャケットの似顔絵をパクってみたw